高松興正寺別院宗祖親鸞聖人御誕生850年ならびに立教開宗800年慶讃法要

 今月5月11日に高松興正寺別院に於いて宗祖親鸞聖人御誕生850年ならびに立教開
宗800年慶讃法要が厳修されました。午前10時より高松興正寺別院春季永代経法要をお勤
めし、午後1時より本山より御門主様をお迎えしての慶讃法要が勤められました。

 午後からの法要では昭和53年以来の稚児行列が行われ、丸亀町商店街の岩佐佛喜堂に
て仮殿勤行の後、庭儀として高松興正寺別院までの300mを法中とお稚児さんが行
道をしました。100人近い隊列で雅楽の美しい音色に合わせての行道となり圧巻の光景でし
た。その後別院本堂では内陣、余間出勤者は七条袈裟を着用してのお勤めで、仏徳頌では
内陣衆の行道が行われ、境内にて待機されていたお稚児さんと保護者の方も本堂正面から
入堂し、後堂を一匝し二階の回廊からは花吹雪と華葩が降り注ぐ演出が行われました。

 この度の法要には甥っ子や従姉妹の子供も参加してくれていたので貴重な経験が出来て大
変喜んでおりました。

 近年では珍しくなった稚児行列ですが、もし参加する機会がありましたら親子で是非とも
参加していただき、仏様のお心に触れていただければと願っています。


(写真は高松興正寺別院インスタグラムより)


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誕生日プレゼント

 4月8日はお釈迦様の誕生日。花まつりとして白い象さんのパレードや誕生仏に甘茶をかけた経験のある方もいらっしゃるでしょう。
 4月1日は浄土真宗の宗祖、親鸞聖人の誕生日です。
 そして今日は今月のブログを担当する私の50歳の誕生日。すみません、お釈迦様や親鸞聖人と併記するなんて、おこがましいにもほどがありますね。
 
 年を重ねるごとに、誕生日は「また一つとった。(涙)」と嫌なものでしたが、50歳を迎えた今年は、「早く誕生日来ないかな?あと2日!あと1日!」と待ち遠しくて仕方ありませんでした。こんなのは子どもの時以来です。
 ただ子どもの時とは理由が違う。"50歳目前で死にたくない!” そんな思いで無事50歳を迎えることができました。すでに亡くなった同級生や年の近い先輩後輩もいるのに、大きな事故にあうこともなく、病気に侵されることもなく半世紀生きることができた。ありがたいことです。
誕生日は生まれてきたこと、そしてここまで生きてこられたことを喜ぶものなんでしょう。
 プレゼントは今日のいのちと50歳の景色。他にはありませんでした。(笑)



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節目

梅から、河津桜へと花の盛りの移り変わりが春を感じるようになりました。

大人になると同じことの繰り返しに慣れ親しんで「今年もこの季節がきたか」で日々を過ごすようになりがちですが、年度末の忙しさの中で中高生の卒業のニュースを目にすると、人生の節目を迎えた時のことを思い出すことも大切だなと…。
人生の節目は終わりであると同時に新たな人生の始まりです。それまでの積み重ねの成果の結果です。

新生活に心を弾ませている人もいれば、人生の進路に迷いを抱えている人もいるでしょう。
新たな人生を歩み始めると、それまでと違うペースに戸惑う事でしょう。
「イメージと違う」「こんなはずじゃなかった」結果、すぐに学校生活やキャリアをリセットしたくなった人も多いのでは…。

先日、お坊さん仲間の一人から「今日は楽だった。」と一日の感想をもらしたら「それは周りに迷惑をかけたな。」と父親に窘められたそうです。
「どうゆうこと?」
「仕事や勤めはしんどいぐらいでちょうどええんや。」
「なんで?」
「端(はた)を楽(らく)にさせるのが働くいうことやから、しんどいぐらいがちょうどええんや。」

人生の節目というのは、自分がどうありたいかを問う絶好の機会であり、ただ悩むのではなく、どう悩むかが大切なのではないでしょうか。



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なぜ430ヘルツなのか?

ヘルツ(Hz)は音の周波数を表す単位で、1秒あたりに繰り返される音の振動数を表しています。現在、雅楽・声明はA(黄鐘)=430ヘルツで標準化されています。

明治6年(1873)、当時の文部科学省に相当する部署が、英国の音響学者エリス(1814~1890)を招聘して、当時の宮内庁楽部の雅楽の周波数を調べています。その周波数はA(黄鐘)=437ヘルツでした。
昭和14年(1939)ロンドン国際会議でA=440ヘルツと定めた「万国標準高度」(ユニバーサルピッチ)と極めて近いものでした。また、安政6年(1859)パリの国際会議でA=435ヘルツと定められた「国際高度」と比べても近いものです。

 430ヘルツが定められたのは、日本雅楽会の初代会長である押田良久氏によって昭和48年(1973)です。押田氏は合奏練習中に笙奏者の音が異なっていたことに気づき、洋楽のAの音に相当するのは、雅楽では黄鐘の音に近いので、洋楽の440ヘルツに対して、どのくらいの振動数が正しいのか調べました。大体のところで黄鐘を430ヘルツとし、これを基準として計算で割り出し、平調の音を645ヘルツとし、昭和43年8月にビブラフォーンや木琴などの有鍵打楽器の製造をしているコッス楽器研究所に依頼して、その音叉を10本製作しました。その音叉を京都で雅楽の龍笛を作っている福田泰彦氏に一本送って、正しい音にあっているかどうか調べてもらいます。
 家に代々伝わっている笛の長さに吹口と指孔のところを目盛りにした物差しを基準にして制作しておられたので、今までは目で作っていた龍笛と音叉の平調が645ヘルツでピッタリと音があったと返事をいただき、これで自身をもっての雅楽の標準音高が決まったと「雅楽とその標準ピッチの決定 日本雅楽会会長 押田良久」『伝統と文化』に書かれています。
 音叉やチューニングバーの普及もあり雅楽だけでなく声明に於いても430ヘルツで唱えることとなったと思われます。



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準備

 令和7年も始まってあっという間にひと月が終わってしまいました。

 日本の仏教寺院では、12月31日は1年の締めくくりの行事として除夜の鐘を撞きます。除夜の鐘を撞き終わると今度は新年最初のお勤めとして1月1日に修正会が勤められます。
 二日にわたり節目の行事が続き、ご門徒さんや地域の方などお寺には多くの人の出入りがありますので、新年が始まってしばらくは気を抜く間もなく過ごします。人の出入りも落ち着いてきた頃、気がつくともう1月が終わってしまったということになります。

 1月から4月までは入試や卒業式、新天地への引っ越し、入学式など次々と行事が駆け抜けていきます。
 大リーグの大谷選手をはじめイチローさんなど超一流といわれる選手に共通していえることは、いつでも常に準備を怠ることなく、毎日を過ごしているということです。
 2月もあっ言う間に過ぎ去っていきますが自分を見失うことなく、また常に準備を怠ることなく過ごしていけたらと思います。


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